立原真理子Mariko Tachihara

おく/弘前2021年 刺繍糸、蚊帳

石場旅館には客室へと続く小さな橋がある。ここにおける橋とは境界線であり、二つの世界を行き来する架け橋でもある。
それを渡ると旅という非日常、ここではない何処か、つまり向こう側、彼岸が立ち現れる。

「おく/弘前」は、解体された蚊帳に、弘前で取材した風景を刺繍糸で描き重ねることで構成されている。
風景の中に見え隠れする境界線は、それぞれの思想、宗教、またその土地のもつ独自の感性によって鮮明になり、また時に曖昧にもなる。
それらの境目を辿り、行き来することで、無辺の予感と奥行きを探る。

立原真理子Mariko Tachihara

網戸や蚊帳を支持体に刺繍糸で風景を描き、風景の中の「境目」の在り方を探る。

1982年 茨城県生まれ
2006年 女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻 卒業
2008年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画 修了
【個展】
2007年 「うたた寝のそと」 フタバ画廊(東京)
2012年 「岸と戸」 巷房2・階段下(東京)
2013年 「戸とそと」 藍画廊(東京)
2014年 「とおくの庭」 Hasu no hana(東京)
      新生代への視点2014「庭と川」 藍画廊(東京)
2015年 「樹下の赤」 Picaresque Gallery(東京)
2016年 「帳と青」 Hasu no hana(東京)
2020年 「くさまくら」 藍画廊(東京)
     「おく」 Hasu no hana (東京)
2021年 「すきまとおく」 iGallery DC (山梨)
【主なグループ展・他】
2006年 「unisio展」 文房堂ギャラリー (東京) 
2007年 「alacarte」 船橋市民ギャラリー (千葉) 09' 11'
2008年 「POST」 横浜・創造界隈ZAIM 別館 (神奈川)
     「東京藝術大学卒業修了制作展「杜の会賞」受賞
     「In my room2」 FUKUGANGALLERY (大阪)
     「生まれつつある現在2008」 文房堂ギャラリー (東京)
     「WAO project」 武家屋敷旧内山家 (福井)
2010年 「アーツチャレンジ2010」 愛知芸術文化センター(愛知)
     「Non-site Memory」 市田邸 (東京)
2012年 「常総市まちなか展覧会」 常総市内黒倉庫 (茨城)
     「祭りか?山か?」 取手市内 長屋 (茨城)
2013年 「あなたという私 -双方向のコミニケーションで生まれるアート-」 Gallery COEXIST-TOKYO(東京) 
     「ゲンビどこでも企画公募2013展」 広島市現代美術館(広島)
2014年 「帯展 vol.01」 東京藝術大学 (東京)  vol.02ーひらくー '15 帯屋捨松 (京都)
2015年 「Inner History」 藍画廊 (東京)
     「GIRLS BLAVO!!!!!」 NORA journey×拝借景 (東京、茨城)
     「都筑アートプロジェクト2015 - ニュータウン♡ゴースト- 遺跡とアート」 大塚・歳勝土遺跡公園 (神奈川)
2017年 「シリーズ/山梨の現代美術作家 サイトウショウ×立原真理子」 iGallery DC (山梨)
2018年 「MITSUKOSHI×東京藝術大学 夏の芸術祭2018」 日本橋三越 (東京)
2019年 「みなかみ町長賞」受賞
2020年 「VOCA2020 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」 上野の森美術館 (東京)
2021年 「水の『音』から生まれるかたち展  三島市民文化会館B1ギャラリー (静岡)、他